キメラ準粒子が切り拓く新物性科学の領域キックオフミーティングが2024年5月30日(木)に東工大蔵前会館ロイアルブルーホールにて開催されました。本領域の研究代表者・分担者全員に加え、研究協力者の一部とこれらの関連研究室の若手研究者、大学院生も参加し、84名の出席者のもと、活発な質疑・討論が行われました。初めに領域代表から本領域で取り扱うキメラ準粒子の概念について説明されたのち、キメラ準粒子の理論(A01)、キメラ準粒子のアーキテクチャー(B01)、キメラ準粒子の物理(B02)、キメラ準粒子の分子科学(B03)、およびキメラ準粒子のエレクトロニクス(C01)の5つの研究班から、それぞれの研究計画とシーズとなるこれまでの研究成果について、25件の発表が質疑応答を交えながら行われました。メタマテリアルや共振器構造、物質・分子設計、対称性設計により異種準粒子のキメラ化を目指す具体的なアイデアや、その理論構築とデバイス応用について活発な研究討論がなされました。また、班間の交流を活性化するための試みとしてインターフェイス研究員制度の導入や、若手研究者が所属研究室とは異なる研究環境を経験できるラボローテーション制度が紹介されました。キックオフミーティング終了後、東工大つばめテラスにて懇親会が開催され、メタマテリアル、スピントロニクス、キラル分子科学など異なる分野の研究者同士が意見交換し、互いの研究の面白さと意義を知る良い機会となりました。(文責:能崎幸雄)