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多種多様な準粒子達を"化学反応" させ「キメラ(融合体)」を創出し、キメラ準粒子の物性、機能性を明らかにすることで物質科学全体に新展開をもたらします。従来、個別に研究されてきた準粒子の結合を引き起すためには、人工構造、物質・分子設計、対称性設計などさまざまな高次のスキームの導入し、分野の壁を越えることが必要不可欠となります。
準粒子とは物質中で粒子のように振舞う量子力学的存在で、複雑な物性現象の理解に有益な概念です。例えば光はフォトン、振動や音はフォノン、磁気の運動はマグノンという準粒子で表されます。異種準粒子同士はほぼ独立に振舞いますが、条件を整えれば混成させることができます。この混成準粒子をキメラ準粒子と名付け、多様な準粒子の組み合わせの生み出す物性を横断的に研究するのが本領域の目標です。
様々な構造体の導入によりスケールを追加し、キメラ化を促成できます。マクロなアプローチではメタマテリアルのような人工構造が、ミクロなアプローチでは緻密に設計された物質・分子が活用できます。さらに、これらを俯瞰する高次の視点から構造体の対称性設計が決定的に重要です。